R35 GT-R 2007年の登場
R35 は、予告なしに現れたコンセプトカーから始まりました。公式の説明を、日付の順に追います。
2001年:突然のコンセプト
日産の GT-Rストーリーによると、R35 の発端は2001年10月の東京モーターショーに突然現れた「NISSAN GT-R Concept」です。事前の予告は一切なく、搭載するエンジンや駆動システムは公表されず、秘密のヴェールに包まれていました。ただ、将来の生産化が約束されたことと、「スカイラインGT-R」とは異なり海外進出も念頭に置いていることが、日産自動車から公式に明らかにされました[1]。2001年のコンセプトは、フロントグリルやテールランプの形など、多くの部分が6年後に登場する市販モデルと共通している、とも説明されています[1]。
2002年~2003年:空白と約束
翌2002年、同年8月末でスカイラインGT-Rの販売を終了することが発表されました。そのため GT-R の歴史には、しばらく空白ができます。2003年、再び東京モーターショーで「GT-Rは4年後の東京モーターショーで復活する」と告げられました[1]。
2007年:発表・予約・発売
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2007年9月26日 | 予約開始。2か月で、月販目標200台の11倍以上にあたる2282台を受注した(写真の説明)[1] |
| 2007年10月24日 | 新型 GT-R の量産型を発表[1] |
| 2007年12月6日 | 日本市場に発売[1] |
開発の方針(田村宏志さんの話)
日産の企業サイトの記事で、R35 の構想を計画していた2001年ごろ、田村さんは「直列6気筒エンジンやマニュアルトランスミッションは使わない」という方針を強く推した、と話しています。「より全長の短いエンジンとプレミアム・ミッドシップレイアウトの方が慣性を最適化できる」と考え、V6エンジンと高度なオートマチックトランスミッションの組み合わせが R35 にふさわしいと確信していた、とあります。きっかけは、2000年代初頭に読んだ技術論文で紹介された、デュアルクラッチトランスミッションの新しい可能性でした。「ペダルが2つだけというのが鍵」という発言も記されています。社内には反対意見もあり、「2ペダルだけを推すなんて、正気じゃないと思われたこともある」と笑いながら振り返っています[2]。
また、R35 の開発呼称として社内で使われていたのは「TM」で、「Trend Maker」と「Traction Master」を意味していた、と書かれています。のちの「T-spec」は、もともと「TM-Spec」になる予定でした[2]。
目標は「量産車世界最速」
日産の説明では、他の高級乗用車と同じラインで生産できる構造で、実用的な後席やトランクルームを備えながら、超高価な少量生産のスポーツカーに並ぶ装備と性能を持つことが目標でした。そのうえで、掲げた称号が「量産車世界最速」でした[1]。2008年4月、ニュルブルクリンクで7分29秒03を記録します。
この面で確かめていないこと
- 発売時の価格、販売店の数、初期の納車の台数。
- 2282台の受注のうち、日本以外の受注があったか。
日付の一覧(2001年~2008年)
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2001年10月 | NISSAN GT-R Concept を東京モーターショーで公開 |
| 2002年8月末 | スカイラインGT-Rの販売終了 |
| 2003年 | 「4年後に復活」と東京モーターショーで発表 |
| 2007年9月26日 | 予約開始 |
| 2007年10月24日 | 量産型を発表 |
| 2007年12月6日 | 日本で発売 |
| 2008年4月 | ニュルブルクリンクで7分29秒03 |
出典は[1]です。
目標の姿:使える GT-R
日産は、発売の時点の R35 を、他の高級乗用車と同じラインで作れる構造で、実用的な後席とトランクを備え、スーツケース2個かゴルフバッグ2個を積める、と説明しています[1]。超高性能と日常の使いやすさを両立させる、という考え方は、田村さんの語る「GT」の側面と重なります(R35 の面)。
2007年の発表の数字(webCG の記事)
webCG の2007年10月24日の記事は、発表の当日に、新型 GT-R の内容を細かく伝えています[3]。日産の GT-Rストーリーで確かめた日付と合わせて読むと、次の流れになります。
| 項目 | 記事の内容 |
|---|---|
| 国内の発売 | 2007年12月6日。北米は2008年6月、ほかの国は2008年中 |
| 価格 | 777万円から834万7500円 |
| エンジン | 3.8リッター V6 ツインターボ(VR38DETT)・480ps/6400rpm・60.0kgm/3200〜5200rpm |
| 加速と制動 | 0〜100km/h が3.6秒・同じ速さからの停止距離が37m |
| 変速機 | 2ペダルの6速(新開発のツインクラッチ式)だけで、マニュアルの設定は無い。変速はアップもダウンも0.2秒 |
| 駆動 | 独立型トランスアクスルの4WD。ふだんは後輪で走り、滑ると前輪にも駆動力を送る |
| タイヤ | 20インチのランフラットタイヤが標準 |
| 国内の販売目標 | 月200台 |
確かめた範囲では、日産自身の発表の原文は、見つけられませんでした。数字は報道の記事のものなので、日産の資料と食い違う場合は、日産の資料が正しいものとして読み替えてください。
出典
- 日産 GT-R(R35)Webカタログ「GT-Rストーリー」(2026年11月7日に確認)
- 日産ストーリーズ「R35 GT-Rと田村 宏志 ― 情熱とパフォーマンスの功績」(2025年8月26日)(2026年11月7日に確認)
- webCG「日産、新型GT-Rを発表」(2007年10月24日)(2026年11月7日に確認)