R35 のエンジンと駆動
R35 GT-R の動力まわりを、日産の GT-Rストーリーの記述から整理します。数値は、日産が書いた数字をそのまま使っています[1]。
VR38DETT エンジン
GT-R 専用に新しく開発された「VR38DETT」型のガソリン・ツインターボのユニットです。総排気量は3.799リッターの V6。2007年の発売時の出力は353kW(480PS)/6,400rpm、トルクは588N・m(60kgf・m)/3,200~5,200rpm、と書かれています。過給圧の電子制御による高精度化などで、ターボラグを感じさせないアクセルレスポンスを実現した、という説明です[1]。
出力の推移(日産の説明)
| モデルイヤー | 最高出力など |
|---|---|
| 2007年(発売時) | 353kW(480PS)/6,400rpm、588N・m |
| 2009年モデル | 485PS |
| 2011年モデル | 390kW(530PS)、612N・m(62.5kgf・m)。ブースト圧や空燃比などを変更 |
| 2012年モデル | 550PS |
| 2014年モデル(NISMO) | 600PS(441kW) |
| 2017年モデル | 570PS(419kW)。気筒別点火時期制御を採用 |
プレミアム・ミッドシップパッケージ
最初期のモデルについて、日産は「量産車として世界初、日産が特許を取得したパワートレイン配置による、独立型トランスアクスル4WDのプレミアム・ミッドシップパッケージ」と説明しています。前輪駆動用のシャフトが、車体後方のトランスミッションからフロントデフに伸びるため、プロペラシャフトが合計2本あります。変速機はGR6型のデュアルクラッチ・トランスミッション(6段)で、4WDシステムとメカニカルLSDを一体化して後方に載せています。入出力シャフトを斜めに配置して変速機を扁平にし、低重心にも役立てている、とあります。オイル潤滑はドライサンプです[1]。
足まわり・ブレーキ・タイヤ
- サスペンションは、前がダブルウィッシュボーン、後ろがマルチリンク。減衰力可変のダンパー(Bilstein DampTronic)と、ブレンボ製の高性能ブレーキ。
- タイヤは前が255/40ZRF20、後ろが285/35ZRF20(ランフラット)。2007年モデルから変わらない「黄金比」のサイズと説明されています。アルミ鍛造ホイールを組み合わせています[1]。
- 出力は、カーボン製のプロペラシャフトを通じて後方へ送られ、電子制御式4WDが前後に配分します[1]。
使える GT-R
日産は、ニュルブルクリンク北コースの量産車最速タイムを記録し、アウトバーンを300km/hで走れる性能のスーパースポーツカーでありながら、スーツケース2個、またはゴルフバッグ2個を積める、と書いています[1]。他に、2011年モデルのアルミハニカム入りカーボンコンポジット製ストラットサポートバー、2011年モデルの中空金属ナトリウム封入エキゾーストバルブ、2013年モデルのサスペンションジオメトリー見直しなど、毎年の細かな改良が書かれています。
後年の改良
- 2017年モデル:GT-R NISMO 譲りの気筒別点火時期制御を採用し、サスペンション全体の設定を見直した。吸音材・遮音構造の見直しなど、快適性にも配慮。
- 2020年モデル:ターボ高効率化技術「アブレダブルシール」で加速レスポンスを向上。
- 2024年モデル:NISMO にフロントのメカニカルLSDを新採用。内輪の空転を抑え、前軸へより多くの駆動力を配分でき、タイトコーナーでのコーナリング速度が向上した、と説明されています[1]。
Rモード発進
4WD を活かした「Rモード発進」は、エンジン回転数を4,100rpmで維持して過給状態とし、タイヤのスリップを1/4回転に制限して最大のトラクションを得る仕組みで、2,000回もの実験を経て開発された、と書かれています[1]。
この面で確かめていないこと
最高速度、0-100km/h の加速、燃費、重量、車両寸法は、この面では日産の公式のページから確認できていないので書きません。
出力の移り変わり(日産の発表と報道)
| 時期 | 数字 |
|---|---|
| 2007年 | 480ps(353kW)/6400rpm、60.0kgm/3200〜5200rpm[2] |
| 2014年モデル | 404kW(550PS)/6400rpm、632N·m(64.5kgm)/3200〜5800rpm。燃費は JC08モードで8.7km/L、車両重量は Premium edition で1,750kg[3] |
| 2017年モデル以降 | 419kW(570PS)(Response の2025年8月26日の記事による)[4] |
| NISMO | 441kW(600PS)[4] |
2024年モデルの日産の発表(2023年3月20日)は、エンジンが VR38DETT で、駆動が4WD、変速機が GR6 のデュアルクラッチだと書いています。ただし、出力とトルクの数字は書いていません[5]。このため、2024年モデルの数字は、この面には書きません。
Response の記事は、約4万8000台のエンジンが、横浜工場で、熟練した9人の手で組み立てられたと伝えています[4]。これは日産の説明を伝えた記事の記述で、人数の数え方までは確かめていません。
出典
- 日産 GT-R(R35)Webカタログ「GT-Rストーリー」(2026年11月7日に確認)
- webCG「日産、新型GT-Rを発表」(2007年10月24日)(2026年11月7日に確認)
- Car Watch「日産「GT-R(2014年モデル)」「GT-R NISMO」インプレッション」(2013年12月6日)(2026年11月7日に確認)
- Response「R35 GT-R 生産終了」(2025年8月26日)(2026年11月7日に確認)
- 日産ニュースルーム「GT-R 2024年モデルを発表」(2023年3月20日)(2026年11月7日に確認)